ガソリンタンク内のパイプ(水抜き用など)が経年劣化や錆で割れると、中のガソリンがドバドバと漏れます(^^) レストアをしていると稀に遭遇するトラブルですが、当然ながら古いバイクの純正パーツなんて出るわけがありません。
パイプの内部をpor15で補修しようかとも考えましたが、穴の大きさも未知数で、塞ぐことができるかわからなかったので、パイプを交換することにしました。
今回は、タンク内の穴が開いたパイプを「真鍮パイプ」を使って自作し補修できたので、その手順とコツを詳しく解説します!
ネットでプロの方が「30分で終わらせた」という記事を参考に挑戦しました。プロはやっぱりすごいです。私は3時間かかりました、、、。作業後半年以上が経過した現在もガソリン漏れや塗装の浮きは一切なく、大成功を収めました。
同じ症状で悩んでいる方の参考になれば幸いです!

今回の作業で使用したもの
- ドリル(古いパイプの揉み出し用)
- グラインダー(パイプの切断、バリ取り用)
- 真鍮パイプ(中が空洞のもの。外径は現物合わせで計測してください)
- パイプベンダー(安価なものでも十分に役立ちました。なくても一応曲げられます)
- ガスバーナー(「新富士バーナー」製を愛用しています)
- 銀ロウ & フラックス(セットで販売されているものが便利です)
パイプ交換の4ステップ
① 古いパイプの取り出し
まずはタンクに固定されている古いパイプを外します。大抵はロウ付けで固定されているだけなので、ドリルを使って穴を広げる(揉み出す)ようにして取り除きます。
【綺麗に外すコツ】
タンク裏のパイプが飛び出している部分は、あらかじめグラインダーで平らに削り落としておきます。こうすることでドリルの刃が滑らなくなり、センターがズレずに一発で綺麗に穴を飛ばすことができます。
② 新しい真鍮パイプの曲げ加工(最重要工程!)
新しいパイプには加工しやすい「真鍮パイプ」を使用します。ここが一番重要なポイントです。
真鍮パイプをそのまま曲げようとすると、潰れたり折れたりしてしまいます。そこで、パイプをバーナーで真っ赤になるまで熱してから、すぐに水に入れて急冷します。いわゆる「焼きなまし」です。
鉄は急冷すると硬くなりますが、真鍮や銅は逆に「急冷することで劇的に柔らかくなる(展延性が高まる)」という面白い特性を持っています。
この「焼きなまし」を行うことで、驚くほど簡単に曲げられるようになります。あとは現物と合わせながら、少しずつ形を調整していきましょう。
曲げる際は、できるだけ緩やかな「曲線(アール)」を意識してください。あまりにカクカクとした鋭角な曲げ方をしてしまうと、振動などの負荷がかかったときにそこからヒビ割れてしまいます(私はこれで1本失敗しました)。
③ 銀ロウ付けでパイプを固定
現物合わせで綺麗な形ができたら、いよいよロウ付けでタンクに固定します。
接合部にフラックスを塗り、タンクにパイプをセットします。バーナーで母材(タンクとパイプの接合部)が真っ赤になるまでしっかりと熱したら、そこに銀ロウを当てます。十分に温度が上がっていれば、ロウが毛細管現象によってスーッと吸い込まれるように隙間に溶け込んでいきます。
全体に綺麗に溶け込んだら冷まし、最後にグラインダーで余分なパイプの長さを調節して成形すれば、パイプの再建は完了です!
④ 【おまけ】POR-15でのタンクコーティング
今回はホースを再建したあと、今後の錆対策を万全にするために、仕上げとして定番の「POR-15」を使ってタンクのインナーコーティングも行いました。記事はこちら。
タンク外装塗装の記事はこちら↓

【安全に関する超重要事項!】
ガソリンタンクに火(バーナー)を当てる作業は、一歩間違えると爆発事故につながる大変危険な作業です。
作業を行う前には、必ずガソリンを完全に抜き、中を徹底的に洗浄・乾燥させて、揮発ガスを完全に飛ばした状態であることを確認してから作業を開始してください。安全第一で作業しましょう!
まとめ:半年たってもトラブルなし
作業時間はトータルで3時間ほどかかりましたが、こうして記事にしてみると一瞬ですね(笑)。
ガソリン内の水抜き穴が劣化で割れるなんて、頻繁にあるトラブルではないかもしれませんが、古いバイクの「レストアあるある」なのかもしれません。
DIYでの溶接・ロウ付けは強度や漏れが心配になりますが、作業後半年以上経った今でも1滴の漏れもなく、周辺の塗装がガソリンで浮いてくる気配もありません。大成功と言っていいクオリティに仕上がりました!
ショップに頼むと高額になったり断られたりする作業ですが、道具を揃えればDIYでも十分にリカバリー可能です。この記事が参考になれば幸いです。
それではまた。今日もご安全にー!
